ビデオゲームにはこれまで様々なジャンルのものが作られ、名作と呼ばれるものが生まれてきました。
その中には30年以上経ったいまでも新しいシリーズが作られている物もあります。
しかしハードの進化やニーズに追従できず消えていった名作も数多く、いつの間にか忘れ去られてしまうものも存在しているのです。
その中の1つ『ロードランナー』に注目してみましょう。
■Apple用に作られたパズルゲーム
『ロードランナー』はApple社のパソコン「Apple II」用に作られたゲームです。
パソコンが普及する初期に作られたゲームとあって非常にシンプルなシステムとデザインですが、その分理解しやすく攻略を考えることに専念できるように作られていました。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/7/7a/Lode_Runner.jpg
(出典:wikipedia)
プレイヤーはランナーを操作し、画面内に置かれている金塊をすべて集めることでラウンドクリアとなります。
ランナーができることは梯子を登る、飛び降りる、立っている場所の左右足元に穴を掘って埋める、これだけです。
ランナーを追いかけてくる敵に接触するか制限時間が切れるとミスとなり、そのラウンドの最初からやり直しとなり、一定数のミスをするとゲームオーバーとなります。
完全なパターンゲームですが、操作が簡単な反面クリアするためには穴を掘る場所と順番、敵を埋める場所とタイミングなどを要求されます。
力押しできるパズルゲームとは異なる点ですね。
アメリカで発売された同年に日本のパソコン用が発売されています。
さらに翌年にアーケード版とファミコン版が発売され、ブームに火をつけたのです。
■ファミコン版の特徴
パソコン版よりも有名になったのが1984年発売のファミコン用ロードランナーです。
大きな特徴はキャラクターの大きさにあります。パソコン版が線状のキャラクターだったのに対し、大きめのものに変更され子供でもわかりやすいデザインとなりました。
しかしその影響で1画面での表示ができなくなり、左右に自動スクロールさせる仕様となってしまったのです。
パズルゲームにおいてスクロールさせるのはゲーム性に悪い影響を与えると開発会社から問題視されていましたが、売上は好調で、その懸念を見事に覆すことができました。
なお、1985年に発売された『チャンピオンシップ ロードランナー』ではさらに画面に収めることができず、上下スクロールまでさせる事となります。
こちらは一時停止させて画面全体を見渡せるシステムが取り入れられ、ゲームプレイに支障がでない作りに変えられています。
■『チャンピオンシップ ロードランナー』登場
ロードランナーから1年後の1985年、上級者向けとして発売されたのが『チャンピオンシップ ロードランナー』です。
ファミコン版パッケージには「ロードランナー未経験者お断り!」と明記されるほど高難易度になっていて、経験者であっても全50ステージの攻略は困難とされていました。
チャンピオンシップを謳っていることから、どの機種であっても50ステージをクリアすると認定書を貰えるキャンペーンが行われており、当時のマニアの中にはそれを持っていることをステータスとする人もいるほどでした。
この後ロードランナーシリーズはいろいろな機種用に作られてきましたが、現在は任天堂Wiiのバーチャルコンソール向け、XBOX LIVEの配信、そしてスマートフォン用のアプリが現存している状態となっています。
ファミコン版に携わったハドソン、アーケード版を作ったアイレム、どちらの会社も現存していないため、続編が続かなかったのも影響しているのでしょうね。
1985年ほどの勢いは完全になくなっています。
時代の流れに取り残されたゲームです。
(スマートフォン版 公式サイト)
http://tozaigames.co.jp/products/loderunner_smartphone/