1985年に発売された任天堂ファミリーコンピュータ(ファミコン)用ゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』。
発売から30年以上が経過した今日も、世界中でこのタイトルを“やり込む”熱狂的なファンは少なくありません。
『スーパーマリオブラザーズ』をいかに“早く”クリアするかを競い合う「スピードラン」で、世界記録が更新され、世界中を驚かせています。
■「スピードラン」は“やりこみプレイ”の一種
1つのゲームを、単にゲームクリアするばかりではなく、徹底的に遊び尽くすプレイを俗に「やりこみ(プレイ)」と言ったりしますね。
「やりこみ」はあらゆるジャンルのゲームで行われており、その内容も全アイテムのコンプリートや最強キャラ作成などさまざまですが、特に人気を誇っているのが「スピードラン」です。
「スピードラン」は最速のゲームクリアを目指す「やりこみ」プレイの一種です。
その名の通り、ゲーム開始からいかに短時間でクリアするかを競い合うプレイスタイルで、その性質から、ゲームクリアとは関係のないおまけ要素的なイベントや隠し要素などは一切無視して行われるのが一般的です。
と言ってしまうと、ゲームの要素を味わい尽くす「やりこみ」とは真逆のようにも思えますが、実際に「スピードラン」を行うにあたってはゲームを徹底的に分析・検証を行うと同時にプレイヤー自身のプレイスキルや知識の向上が必須となることを考えると、まさに「やりこみプレイ」であると呼ぶことができるでしょう。
2012年、YouTubeにアップされた一本の動画が、世界中のゲーマーを驚かせました。
それはニンテンドー64のFPSゲーム『ゴールデンアイ 007』のスピードランの様子を撮影した動画でしたが、なんとレーシングゲームに用いるハンドル形の「ステアリングホイール」と呼ばれるコントローラを用いたものだったのです。
なお、YouTubeやニコニコ動画といった動画共有サイトには、チートやツールを用いて改造したゲームで最速を競うプレイ動画が数多くアップされていますが、これらは「TAS(Tool-Assisted Run)」と呼ばれ、スピードランとは区別されています。
■『スーパーマリオブラザーズ』クリアタイム「4分57秒260」
2016年4月、『スーパーマリオブラザーズ』の世界記録を更新したのは海外ユーザーのdarbian氏。彼は同年1月に自身が立てた「4分57秒427」という記録を0.167秒上回る記録で塗り替えました。
以下が、その世界記録のプレイ動画です。
『スーパーマリオブラザーズ』スピードランの世界ランキング
Super Mario Bros. - Leaderboard - speedrun.com
http://www.speedrun.com/smb1
darbian氏はこのプレイが自身の限界であるとして、これを世界記録への最後の挑戦とすると言います。果たして、彼の記録を抜く挑戦者が現れる日は来るのでしょうか?