ベストセラーから映画化される映画の中には「残念な」映画になってしまうものも多い。しかし、映画「ビリギャル」(原作の原題:学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話)は泣ける感動ストーリーです。
もちろん、ビリギャル自身が目一杯努力したのは事実です。東西南北もわからない、日本が列島であることも理解していない、簡単な英単語も知らない。そんな高校2年生が慶応大学を「恰好いい大学生が多そう」という理由だけで目指し、見事に合格するのですから本人の努力なくしては達成できません。
しかし彼女を支える家族や先生など周囲の人がビリギャルの出来なさっぷりに臆することなく、ビリギャルに疎まれたり時に不器用な接し方をしてしまったりしながらも、愛情をもって接する姿を見てビリギャルの頑張りは周囲の支えによって成り立っているということがヒシヒシと伝わるのです。
ビリギャルという映画の中では皆、愛情をもってギャルに接しています。その姿を見ると、とても感動的な物語で一種のファンタジーのような世界にさえなっています。シャープペンシルを片手に必死に入試に挑戦する、ちょっと出来損ないのプリンスを家族や周囲の人の助けで見事に難関を勝ち抜く冒険感動ストーリーです。
ビリギャルの兄弟もまた、ちょっとフツーではなかったけれど、それぞれが立ち直りそれぞれの道を歩む姿を描いたビリギャルママの本(ダメ親と呼ばれても学年ビリの3人の子を信じてどん底家族を再生させた母の話)も注目されています。3人の子供が3人ともビリでも愛情を失わずに子供の可能性を信じたビリママはへこたれても、ポキンとは折れない心を子供たちに伝えたかったのです。
ビリギャルだったさやかさんは現在、ウエディングプランナーとして立派に働いています。
まだ映画「ビリギャル」は上映中です。映画で感動したい方はご覧になってはいかがでしょうか?原作も映画化に伴って文庫版が発売されました。じっくり読みたい方はこちらもお勧めです。
http://birigal.jp/