ゲームの歴史には、その“つまらなさ”や“出来の悪さ”で名を残したタイトルも数多く存在しますが、その中でも“史上最低”と呼ばれるゲーム、それが『Desert Bus』です。一体、どのようなゲームなのでしょうか?
■8時間、ただバスを走らせる“だけ”のゲーム
『Desert Bus』はもともと1995年に発売が予定されていた、セガのメガCD用オムニバスゲーム『Penn & Teller’s Smoke and Mirrors』に収録されているゲームのひとつです。
プレイヤーはバスの運転手として、アリゾナ州のツーソンからネバダ州のラスベガスまでバスの運転をするというこのゲーム、それだけ聞くと作り次第では面白くなりそうにも聞こえますが、実際は相当に“アレ”なゲームであったようです。
バスの運転とは言っても、ドライブシミュレーターとしての要素は皆無。
完全な一本道をただひたすら走り続けなければいけません。しかも車窓の風景が変わるわけでもなく、対向車線にも他の車が現れることはありません。時折現れるのはバス停と岩だけ。
そんな道程をリアルタイムで8時間走り続けないとクリアできないこのゲーム。
しかも、ご丁寧にもこのバスは、放っておくと徐々に右へずれていくという仕様つき。放っておくとバスは道路から外れてしまい、レッカー車でスタート地点まで戻されてしまいます。
その上、セーブ機能なんていう気の利いたものはありませんから、結局ゲームをクリアするためには、時々バスを左に戻してやりながら、8時間もの間無味乾燥なプレイを続けるしかありません。
■なんとVRゲームとしてリメイクの噂も?
結局、収録していたオムニバスゲーム自体が未発売に終わり、『Desert Bus』は幻の作品となるはずでした。
しかし、2011年、恵まれない子どもたちのための基金を募るチャリティー用のアプリとしてiOS/Android向けにリリースされ、ゲームマニアの注目を集めました。このチャリティーは成功し、総額15万ドル以上を稼いだといいます。
“史上最低”の“つまらない”ゲームと評される『Desert Bus』ですが、2016年になって、再びリメイクの噂が広まっています。
今回のリメイクは、前回同様チャリティ目的とされていますが、なんと最新のVR(バーチャルリアリティ)ゲームとしてリリースされる予定とか。開発には人気タイトル『Borderland』の開発会社、GearboxのCEOが関わっているということです。
果たしてこの『Desert Bus』、“史上最低のつまらないVRゲーム”となるのでしょうか?