HollyさんはJamesさんと2009年に結婚し、2010年に待望の第1子を妊娠します。そして、2011年11月に元気な女の子を出産しました。大好きな夫と出会い、可愛い女の子を儲け、ここまでの彼女の人生は完璧でした。
しかし、出産からわずか3週間後、悲劇は突然訪れました。ギラン・バレー症候群と言う珍しい病気にかかり、首から下が完全に麻痺したのです。そして、声を失った彼女は「激しい痛みを感じる」と、わずかな声を絞り出して医師に訴えます。
しかし、友人らが病室を訪れ、彼女のリハビリに協力したり、同じ病気で苦しみ回復した男性がHollyさんのもとを訪れてくれたり、彼女の周りの人たちのサポートが止むことはありません。
病気の発症から1ヵ月後、Hollyさんは初めて外に出ることが出来ました。生後間もない娘のCaseyちゃんとJamesさんは、毎日病室を訪れます。
ある日Hollyさんは、そんなCaseyちゃんに舌をベロベロと出したり引いたりする仕草を教え、Caseyちゃんは懸命に真似をしています。本来なら、1日のうちのほとんどを母親と触れ合いながら過ごす月齢ですが、Hollyさんはわずかな限られた時間しか一緒に過ごせません。
そのひと時がHollyさんが母親になれる瞬間であり、懸命に娘に教え込む姿がとても感動的です。そして、病気発症から4ヵ月後、ついに腕を自力で動かすことができました。自力呼吸の練習も始まり、Caseyちゃんにミルクをあげることもできるようになりました。
翌月には、完全に人工呼吸器が外れました。ICUから普通の病室に移り、Caseyちゃんに話しかけることもできるようになりました。その後も懸命にリハビリを続けたHollyさんは退院し、自宅でエクササイズが出来るほど見違えた姿を見せます。
出産直後は母性本能が芽生え、赤ちゃんにミルクをあげたりオムツを替えたり、泣いている時は抱き上げてあやしたり、とにかくCaseyちゃんに触れたくてたまらない気持ちだったと思います。しかし、そんな強い母性がHollyさんの回復力に影響したのかもしれません。辛い痛みと多くのリハビリを乗り越えて自由に体が動かせるようになった今、彼女は誰よりも強い母親に見えます。