2人の息子の父親であるブライアンさんは、40歳の誕生日に家族でレストランを訪れました。そのレストランでは、食事が運ばれてくるのを待つ間、ウェイターが子供たちの暇つぶしのためにクレヨンを用意してくれます。
学生の頃から芸術に興味があり、芸術に携わる仕事をしてきたブライアンさんは、この時ふと疑問に思い、ウェイターに「このクレヨンは私たちが持ち帰らずにテーブルに置いて帰った場合、どうなるのですか。」と尋ねました。すると、「クレヨンが全く使われていない状態であろうが、少し使われた状態であろうが、処分しています。」という答えが返ってきました。
この出来事がきっかけとなり、ブライアンさんはクレヨンをリサイクルするThe Crayon Initiativeという組織を設立しました。活動内容は、リサイクルボックスに収集された古いクレヨンを溶かして新しいクレヨンを作り、病院や学校などに提供するというものです。詳しくはホームページで見られます。
(
http://thecrayoninitiative.org/about/our-story/)
動画では、こうして蘇ったクレヨンを、小児病院で実施されるアートセラピープログラムに参加する子供たちが使っています。使い古しのクレヨンが新しく生まれ変わり、子供たちがわくわくしながらカラフルな可愛らしい絵を描くのに役立っているのですね。
誰しも「勿体ないな」と一度は思うことでしょうが、それをブライアンさんの様に現実化してしまうような勇気ある人はなかなかいないでしょう。少し汚くなったから新しいものを買うのではなく、古いものを手直しして再利用するという発想が、先進国でも見直されるきっかけになればと思います。