完全に盲目でありながら、幼い3人の子育てをするという勇気が持てる女性は何人いるでしょうか。アメリカのユタ州に住む二コルさんは、8歳の女の子と4歳と9カ月の男の子の3人を育てています。
まだまだ目の離せない子供たちなのですが、夫を始め、長女も二コルさんに協力的です。そんな二コルさんの趣味は料理で、結婚当初から大好きだそうです。二コルさんは元々普通に生活をしていましたが、結婚して1年が経った頃から頻繁な頭痛に悩まされ、言葉を上手く発することができなくなったそうです。MRI検査の結果、脳がバクテリアに侵されていることが判明しました。一度は回復したかのように思われましたが、半年後に再発し、その際に視力を失ったのです。
しかし、料理が大好きな二コルさんは「障害のために自分の幸せは犠牲にしない」と誓ったそうです。美味しい料理を作り続け、家族と共に食卓を囲むことが二コルさんの思い描く幸せな生活でした。料理をするには、棚や冷蔵庫から材料を取り出し、オーブンやガスを使います。当たり前のように出来ていたことが、スムーズにいかないことも頻繁にあります。
そこで、長女がオーブンの設定や材料の計量を手伝い、夫が不在中でもテレビ電話で冷蔵庫や棚から調味料を見つけるのを手伝ってくれます。そんな温かい家族の協力と二コルさんの前向きな性格と努力があり、毎日家族で美味しい料理が楽しめます。
4歳の長男は、二コルさんの目が見えていないということが少しずつ分かってきているそうです。いつも前向きな二コルさんですが、子供たちの笑顔が見られないのが非常に残念だと言います。以前は目が見えていたからこそ、悔しい思いをすることがあるのだそうです。
二コルさんのチャレンジはこれだけではありません。作った料理をブログに公開しているのです。タイピングは夫のブランドンさんが担当します。病気が見つかり、生活をする中で不自由なことができ、悲しい思いもするようになった二コルさんですが、病気になったからこそ生まれた家族愛が見えてきます。
まだ幼い長男と次男も、これから積極的にお母さんの手伝いをすることでしょう。これからも二コルさんの美味しい料理を囲み、家族みんなで幸せに暮らしていけることでしょう。