2015年5月、テキサス州にあるオレンジという街で、飲酒運転のトラックにひかれ、夫婦が亡くなりました。この夫婦には、事故の1週間後に高校の卒業式を控えた18歳の息子がいました。警察官のエリック・エリソンさんは、その夫婦の息子であるカジーさんに両親の訃報を伝えなければなりませんでした。エリックさんは、21年間のキャリアで一番辛い出来事だったと言います。そして、悲しむカジーさんを見て、エリックさんは代わりに卒業式に出席することを約束します。
悲しい知らせをカジーさんに伝えてしまったのは自分なので、自分がやるべきことをしなければと思ったそうです。卒業式当日、証書を受け取ったカジーさんを一番初めに祝福したのはエリックさんでした。カジーさんは、エリックさんの心温まる振る舞いにとても感謝しています。
人生に数回しかない晴れ舞台を、亡くなったご両親もどれだけ心待ちにしていたことでしょう。日本でも、飲酒運転の死亡事故をニュースで見るたびに怒りが込み上げてきます。容疑者の身勝手な行動で大切な人を亡くしてしまうことは、当たり所のない悲しみだと思います。カジーさんは、エリック巡査のような心優しい警察官と巡り合えて、少しでも前進していることを願います。これから大学を卒業し、ご両親の分まで活躍して欲しいです