自分たちの体は脳の中の指令で動いています。複雑な動作も脳の細やかな指令ですることができますが、中には脳の働きとは違った動きをしてしまうことがあります。ここではそんな人体の不思議な動きを自分の体で感じてみましょう。
使うものは自分の手と、10円玉一枚です。まず両手を組みます。そこから薬指だけをたてて、両方の薬指の指の腹同士を合わせます。そこに他の人から10円玉をはさんでもらいます。ここから挟んだ10円玉が落ちるように薬指同士を離してみようという実験です。
実際にやってみると薬指同士だけを離そうとするのがとても難しく、他の指がもぞもぞを動いて10円玉をなかなか落とせません。脳の指令は離せと出ているのですが、なぜこういった動きになるのでしょうか?
指は実はすべて独立して動いているわけではありません。簡単に分けるなら親指とそれ以外の指といった感じでわかれています。中指、薬指、小指が特に神経同士の結びつきが強いためこの3本を独立して動かすということが難しいのです。
わかりやすい動きだと、中指を曲げると、薬指をピンと伸ばせなかったり、小指を曲げようとすると薬指が薬指まで曲がってしまうといった動きになります。
ピアニストともなると、指をしっかり独立して動かすためにこの神経同士の結びつきをとく手術をする方もいるほどです。中には動かせる人もいますが、人体のしくみは人それぞれ多少の違いがあるということもこの実験でわかりますね。
この実験では無理に薬指同士を離そうとすると、指の筋を痛めてしまう可能性があります。もともとこういった動きが難しいことを意識するための実験なので、無理をしないようにしましょう。
参考サイト
http://www.piano.or.jp/report/03edc/brain/2010/03/29_10477.html
第04回 身体が動く仕組み(3)指が独立に動く仕組み|脳と身体の教科書|ピティナ・ピアノホームページ