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ゲームのプロモーションのあり方とは? Bethesda、2016年内発売タイトルのメディア向けROMの配布を発売前日にすると発表

多くの場合、ゲームの面白さ、質の高さはパッと見だけではわかりません。
RPGともなれば何十時間、タイトルによっては100時間を超えるプレイを経てようやくその全容がつかめる、というものもあります。

こうしたことから、ゲームメーカーは各メディアが発売日にレビュー掲載できるよう、完成したゲームのレビュー用ROMを実際の発売日よりも前に配布することが慣例となっています。

そんな中、大手ゲームメーカーの一社であるBethesda Softworksが2016年10月25日に、年内に発売される同社のタイトルに関し、メディア向けROMの配布を発売前日まで行わないことを発表、物議を醸しています。

■Bethesda Softworksとは

Bethesda Softworksはアメリカの大手ゲーム開発会社のひとつです。社名はメリーランド州ベセスダで起業したことからきていますが、現在では本社を同州のロックビルに移転しています。

レースゲームからスポーツゲームまで幅広いジャンルのタイトルをリリースしているBethesdaですが、特に同社の名前を有名にしているのが、The Elder ScrollsとFalloutの二つのRPGシリーズでしょう。

The Elder Scrollsシリーズは異世界であるタムリエルを舞台として展開するファンタジーRPGです。1994年に第1作が発売された同社の看板タイトルとも言えるシリーズで、2016年10月までにナンバリングタイトル5本を始め関連タイトルを合わせ40本近いシリーズ作品がリリースされています。日本国内では特にナンバリングタイトル4作目の「Oblivion」と5作目「Skyrim」のタイトルが有名です。

Falloutシリーズは、核戦争後の荒廃した近未来が舞台のRPGです。元はElectricArtsが1997年に発売した『Fallout』に始まるRPGシリーズで、Bethesdaは2007年にその開発会社であったInterplayから権利を買い取り、2008年に第3作目となる『Fallout3』を発売しました。

前作までの俯瞰視点でプレイするシステムを一新し、主観視点によるFPS風のシステムを導入することで評価されヒット、2015年にはナンバリングタイトル4作目にあたる『Fallout4』を発売しています。



■なぜROMの配布を発売前日にするのか?

BethesdaがROMの配布を発売前日に行うのは今回が始めてではありません。
2016年5月にはFPSの『DOOM』のROM配布を発売前日にしたという前例があります。その際、『DOOM』はオンライン・マルチプレイ対応のゲームであり、そのためのサーバのオープンが発売当日に設定されていた為、ROMの配布が発売前日になったとの説明がありました。

しかし、今回の発表に関してBethesdaは『メディア・個人関係なく、すべてのプレイヤーに同時にゲームを体験してほしいから』という理由を上げるのみで、『DOOM』の時のような必然的と言える理由の説明はなされていません。2016年の年内に発売が予定されている『Skyrim Special Edition』『Dishonored 2』の2つのタイトルはいずれもマルチプレイ非対応のタイトルであることから『DOOM』の時のようなオンライン対応が原因とも考えられません。







このBethesdaの発表に、海外のメディアからは不満の声が上がっています。

■ROMの配布が遅れると、ゲームユーザーが不利益を被る?

今回のBethesdaの対応がメディアから批判されているのには、ROMの配布が遅れることで発売当日に精度の高いレビューを公表できなくなり、そのことでゲームユーザーがゲームを購入する際の判断材料が少なるという危惧が理由としてあります。

実際、他社の事例を見ると、2016年10月の発売当日までROMが配布されなかった『Mafia3』が、そのクオリティの問題から多くの批判を受けています。

また、同年に発売された『No man’s sky』もメディアへのROM配布が遅れましたが、発売されたゲームにはプロモで予告された機能の多くが未実装であったことが判明し、ユーザーが返金騒動を起こすまでに至りました。

ROMを公表しないということは、そのゲームに何らかの問題があって、メーカーは売上が減るのを避けるためにわざと公開しないのではないか……そう推測されてしまうことが致し方ない実情があるのは、残念ながら事実です。

■ROMの配布が遅れるのはプレイヤーのメリットもある?

一方、ROMの配布が遅れることには、ユーザーにとってメリットもあるとする意見もあります。それはいわゆるネタバレの問題と関係します。

前述の『No man’s sky』の場合、メーカーからの正式なROM配布より前に無許可のものが漏洩、入手したユーザーがネットで同タイトルを批判されたことから騒動が生じたという経緯がありました。

メディアへのROM配布を発売直前にすることで、メディアによるネタバレの危険を防止し、プレイヤーに安心してゲームをプレイしてもらう……そうしたBethesdaの姿勢に理解を示す人も少なくありません。

■日本国内への影響はあるのか?

Bethesdaが年内発売を予定している『Skyrim Special Edition』と『Dishonored 2』は、日本国内ではアメリカより遅れて発売される予定になっています。

日本で発売されるころには、海外メディアによるレビューや評価も出揃っているでしょうから、ゲーム購入の際にネットのレビューを参考にしている日本人にとってはそれほど大きな影響はなさそうです。

ただし、来年以降Bethesdaがこの問題にどう対応するかは、2016年10月末時点ではまだ決定していません。







2016/11/25 12:00  Copyrights(C)wowneta.jp

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