2015年にその開発が発表されて以来、いまだ謎に包まれた任天堂の次期ゲーム機『NX』。
その発売時期が正式発表され、業界全体から注目を集めています。
■現行機種『WiiU』不調の原因は?
2006年11月(日本国内では12月)に発売された任天堂の据え置き型ゲーム機『Wii』は、2015年現在で世界での総売上台数1億台を突破し、同世代のハードであったソニーのプレイステーション3の売上台数8000万台(2015年現在)に大きな差をつけました。
2012年に発売された『WiiU』は、先代の『Wii』を受け継ぐハードとして大きく期待されていましたが、2016年3月の時点での売上台数は1280万台、ソニーのプレイステーション4の2016年現在の売上3590万台に対し、今度は逆に大きく水を開けられる状況になっています。
『WiiU』売上不振に関してはいろいろな原因が指摘されていますが、ひとつの理由とされているのが、そのコントローラの特殊性です。
『WiiU』の大きな特徴のひとつに、大型液晶モニターを内蔵したコントローラが上げられ上げられます。
このコントローラによって、テレビ画面とコントローラの画面の二つが使い分けられることが、その最大の売りでした。二つの画面を使い分けるという、任天堂の携帯ゲーム機『3DS』にも通じるゲームの他、他の家族がテレビを見ている際にもコントローラのみでゲームができるなど、その利点はいくつか上げられますが、逆にそのことが、ゲーム機の構造を複雑化させてしまい、コントローラのモニタを使いこなすゲームがなかなか現れないという現状を作ってしまったとも言えます。
また、この『二つの画面』という特異性があるため、近年据え置きゲーム機のタイトルではよく見られるようになってきた『マルチタイトル』(複数のゲーム機向けに同じゲームを販売する手法)が取りにくくなっていることもいなめず、ソフトのタイトル数が不足するという状況に陥っていることも確かです。
■新ハード『NX』とは?
2015年3月にその開発が発表された任天堂の新世代機『NX』ですが、その詳細なスペックはおろか、それが据え置きゲーム機なのか携帯ゲーム機なのかも明らかにされておらず、謎に包まれたハードとなっています。
そのため、任天堂による『NX』に関すると思われる特許申請が行われる度にネットで大きなニュースとして取り上げられたり、『NX』の試作コントローラのものとされる画像が出まわるなど(結局それはフェイクであることが判明しましたが)、様々な噂が飛び交っています。
2016年、Twitterの任天堂公式アカウントに以下のようなツイートがあり、大きく注目されました。
『[お知らせ] 全く新しいコンセプトのゲーム機「NX(開発コード名)」の発売時期は、2017年3月を予定しております。』
https://twitter.com/Nintendo/status/725219957395447808
また、このツイートに合わせ、WiiU版として2016年発売予定で開発が進んでいる『ゼルダの伝説(最新作)』がNXでも開発が進んでいることが公表され、WiiU版がNX版に合わせる形で2017年に発売延期されるという告知もありました。
未だ、その全容が謎のベールに包まれる『NX』、果たしてどのようなゲーム機となるのでしょうか。