近年、海外のゲーム市場において人気のあるジャンルのひとつに“サバイバルアクション”があります。
ゾンビなどの怪物が徘徊するポストアポカリプス的な世界を舞台とすることが多いサバイバルアクションゲームですが、そんな作品群の中でもちょっと変わったゲームの開発が進んでいるようです。
■「サバイバルアクション」とは?
「サバイバルアクション」と明確に規定されるようなジャンルのゲームがあるわけではないですが、一般的には極限状態のような環境や世界に取り残された主人公=プレイヤーが、生き残ることを目標としてプレイするゲームを、こう呼ぶようです。
サバイバルアクションゲームの代表的なタイトルのひとつに『DayZ』があります。未知のウイルスによってゾンビアポカリプス状態となった世界で、生き延びるというこのゲーム、元は「Arma2」というファーストパーソン・シューティング(FPS)のMOD(既存ゲームのエンジンを使ってサードパーティが制作するまったく別のゲームのこと)として開発されましたが、後に単体でプレイできるスタンドアロン版がリリースされています。
Dayz Trailer - The Beginning - YouTube
サバイバルアクションゲームは『DayZ』のようなゾンビアポカリプス世界を舞台とするものの他、海中や極寒の環境、地球とは別の惑星を舞台としたものなど、その舞台となる世界観は多種多様ですが、共通しているのは、その世界(環境)が主人公にとっては極限状態と言える、ということでしょう。
■現代の普通の都市を舞台にするサバイバルアクション
現在開発が進んでいる『Hobo: Tough Life』の最大の特徴は、ゲームの舞台が現代の都市である、ということです。決してゾンビが徘徊する廃墟の街ではなく、ごく普通に市民が日常生活を送っている街です。
果たして、そんな世界を舞台にしたサバイバルアクションゲームが成立するのでしょうか? その疑問を解くカギ……それは主人公が“Hobo”である、という点にあります。
ゲームタイトルにもある“Hobo”(ホーボー)とは、アメリカで19世紀の終わりから20世紀初頭にかけ、土地から土地へと働きながら渡り歩いた労働者=ホームレスを指す言葉です。つまりこの『Hobo: Tough Life』というゲームは、ホームレスとして現代の都市で生き抜くことを目的とするサバイバルアクションゲーム、ということになります。
普通の市民にとっては快適な都市での生活も、ホームレスにとっては極限状態を生き抜くサバイバルに変貌します。食料や酒を確保するためにゴミ箱を漁ったり物乞いをしたり、時には人様の物を盗まなければならない場合もあります。冬の夜には凍死しないよう、何か燃やすものを探さなければなりません。
サバイバルアクションゲームは、あまりシナリオ的要素のないものが一般的ですが、この『Hobo: Tough Life』はストーリー性が重要な要素になっていることも特徴のひとつとなっています。いったいどのような物語が描かれることになるのか、注目したいところです。
HOBO TOUGH LIFE - A city survival RPG
http://hoborpg.com/