ゲームの人気シリーズの中には、企画されたまま発売されなかったタイトルのあるシリーズも存在します。また、開発が長期化したり、技術的な理由から対応機種変更となり、そのまま発売されることなく終わった作品もあります。
発売されているのに発売中止になっていた、そんな不思議なゲームを紹介しましょう。
■ファイナルファンタジー4(ファミコン版)
1987年にファミコン用ソフトとして発売されたスクウェア(現スクウェア・エニックス)のRPG「ファイナルファンタジー」シリーズは、その後続編の「ファイナルファンタジー2」が1988年、「ファイナルファンタジー3」が1990年に、それぞれファミコン用としてリリースされた後、4作目である「ファイナルファンタジー4」が1991年にスーパーファミコン用として発売されています。
しかし、当初「4」はファミコン用として開発されており、雑誌メディアなどでも、ファミコン版のリリースが予告されていました。結局、このファミコン版「4」は発売されることなく、幻の作品として終わっています。
この時期、任天堂のゲーム機はファミコンからスーパーファミコンへの移行期にあり、この時点でファミコン用ソフトとしてリリースしても、販売本数が望めないと会社側が判断したことが機種変更の大きな理由になったと考えられています。
機種以降に伴い、シナリオ面から全面的に見直されたため、現実に発売された「4」はファミコン版とはだいぶ違う内容になっているそうです。実際にファミコン版「4」がどんなゲームだったか、プレイしてみたいですよね。
■ICO(PlayStation版)
2001年12月にPlayStation2用ソフトとして発売されたアクションアドベンチャーゲーム『ICO』は、開発開始当初PlayStation用として開発が進められていました。
主に表現力等の問題もあって機種変更になったようですが、ゲームシステムはPlayStation版の開発時点ですでに確立されていたということです。
『ICO』のディレクターを務めた上田文人氏の最新作『人食いの大鷲トリコ』は2009年に開発が発表された当初、PlayStation3用として開発が進められていましたが、2015年のE3でPlayStation4への機種移行と2016年の発売が発表されています。これもまた、幻の作品になったと言えるケースでしょう。
(2009年版パイロットムービー)
(2015年版トレイラー)
■バイオハザード1.5
1998年に発売されたカプコンのホラーアドベンチャー『バイオハザード2』には、実は完成間際で破棄された幻のバージョンが存在しました。
『ゾンビに支配されたビルから脱出する』という内容のゲームだったようですが、開発陣からの評価は低く、結局プロデューサーの三上真司の提言を受け、会社側が発売中止を決定したといいます。
後に発売された『2』のプロモーションを担当していた稲船敬二が、『1.5』用に開発されたゲームエンジンを利用して作り上げたのが『鬼武者』です。