今ではパソコンや家庭用ゲーム機のみならず、携帯ゲーム機やスマホなどで、いつでもどこでも手軽にコンピュータゲームが遊べる時代ですが、コンピュータゲームが作られたのはいつ頃か、ご存じですか?
コンピュータゲームの歴史を調べると、実は意外に古いことがわかりました。
■約100年前からあったコンピュータゲーム
『計算を行う機械』の起源は、紀元前2000年頃に古代バビロニアで発明された「アバカス」(現代のそろばんの原型)にさかのぼれますが、それをプログラム可能な計算機=コンピュータに発展させたのは、19世紀に「階差機関」を考案したイギリスの数学者チャールズ・バベッジでした。
チャールズ・バベッジはすでに機械にゲームを行わせることに興味を持っていたとされますが、実際に遊ぶことができるコンピュータゲームが作られたのは1912年のこと。スペインの技術者レオナルド・トーレス・ケベードの発明した「エド・アヘドレシスタ」という機械がそれです。
「エド・アヘドレシスタ」は、チェス対局の終盤の局面を再現した『詰みチェス』とも言えるゲームで、実際のチェス盤上で機械が操作する白のキングとルークが、人間の使う黒のキングを詰ませるものでした。
■最初はオシロスコープのモニターを使った映像型ゲーム
現代におけるコンピュータゲームは、一般的にディスプレイに映った映像を操作して遊ぶものですが、「エド・アヘドレシスタ」は実物のチェス盤を使ったゲームでした。
モニターを使ったゲームは1950年頃にすでに誕生していたとされています。
後に世界初の家庭用ゲーム機を発明するアメリカ人のラルフ・ベアは1940年代にはディスプレイを使った自作のピンポンゲームで遊んでいたと語っています。
この頃、ディスプレイとして使われたのはオシロスコープ(電気機器の故障解析などで使用される検査装置)のモニターでした。
1958年に、アメリカの原爆開発に携わっていたブルックヘブン国立研究所で、オシロスコープのモニターを使ったテニスゲーム「Tennis for Two」を開発。これは研究所の見学客が遊ぶことができ、不特定多数の一般人が遊んだ最初のテレビゲームと言われています。
■一般家庭向けのテレビゲーム機は1972年に発売
1960年代になると、いくつものコンピュータゲームが製作されますが、それらはいずれも、特殊なモニターやミニコンピュータと呼ばれた研究室や工場の生産現場で利用されるような専用装置を使ってプレイするものでした。まだパソコンが普及するよりも前の時代、コンピュータゲームはまだまだ一般の人にとっては縁遠い存在でした。
1966年、ラルフ・ベアが家庭用テレビを使ってプレイできるゲーム機のアイデアを考案。1972年.彼はマグナボックスという会社から世界初の家庭用ゲーム機『オデッセイ』を発売します。
『オデッセイ』は成功した商品とはなりませんでしたが、この後多くの企業が家庭用ゲーム機を開発、販売していくことになります。